PAST OF Collection      


 

ソエジマナイト Vol.4
 
 2017.7.11-7.12
 
『Clash』
勅使河原一雅(video artist) 坂田明(musician)
豊住芳三郎(ds,perc,erfu) 佐藤允彦(p,comp,arr)

『PARADE』
ストアハウスカンパニー
作・演出/木村真悟
出演/渡辺芳博 金丸瑞貴 村島智之 細村雄志
佐藤辰哉 森田ひかり 中川珠里 杣木百花

副島さんとの終わりなき対話
私は、『ソエジマナイト』は、通夜のようなものだと思っています。もちろん通夜は亡くなられた方にとっても、一回きりのものです。なんども繰り返し行うものではありません。しかし私はその通夜を毎年やろうかと考えているのです。私は副島さんに本当にお世話になりました。1999年から江古田ストアハウスで始まったフィジカルシアターフェスティバルでは、オープニングイベントを企画していただき、たくさんのミュージシャンの方々を紹介していただきました。また、フィジカルシアターを標榜し、新しい演劇の形を探ることで焦りと不安でいっぱいだった私の背中を、「木村さん、早く世界に出なければだめだよ」と言って後押ししてくれました。実際、私のカンパニーは副島さんのプロデュースによって、ロシア、ドイツ、スイスと海外公演を実現することができました。ある時副島さんは、「木村さん、木村さんは冥府魔道のけもの道を歩いてください」と、言ってくださいました。私はそのとき一体何と答えたのでしょうか。「はい」と素直にうなずいたのでしょうか。それとも、「いやいやそんな大それたことは無理ですよ」とでもいったのでしょうか。そもそもそんな会話は本当になされたのでしょうか。副島さん、私はもっともっと副島さんと話がしたかった。冥府魔道のけもの道の話をしたかったのです。それが、『ソエジマナイト』を今後も続けていこうとする理由にもならない理由なのですが、副島さん、許していただけますか。
   

ストアハウス代表 木村 真悟

副島輝人 (1931-2014)


 
東京生まれ。1969年より前衛ジャズのメッカ「ニュージャズ・ホール」を開設、「インスピレーション&パワー」など様々なイヴェントを企画。現場に密着した評論家・プロデューサーとして活躍し、日本のフリージャズ発展に力を注いだ。メールス、アルハンゲリスク、韓国など海外のジャズ祭に23のグループ(延べ250人のミュージシャン)を出演させ、国際的に日本のフリージャズの地位を高めた。また、フリージャズと詩や舞踏、演劇など分野を超えた交流にも尽力。著書に『現代ジャズの潮流』『日本フリージャズ史』『世界フリージャズ記』など。


 

『Clash』

勅使河原一雅


video artist

1977年東京池袋に生まれた。はじめは母親と二人で過ごした。途中から 新しい家族の家で過ごした。幼い頃から飲み屋を連れ回された。当時はホステスにもてた。学校は登校拒否をしていた。家ではゲームをしていた。ヤクザが怖くて泣きながら警察を呼んだ。父が居なくなった。捕まった。小学校卒業。交通事故にあい首を痛めた。父が帰ってきた。父が死んだ。中学校卒業。日本橋服地加工工場に勤めた。交通事故にあい死にそうになり首を痛めた。音楽に夢中になった。点描をやめた。中古のMacを買った。何人かのおかしな人に出会った。別れた。知らず悪い企画会社に入るがすぐ辞めた。辞めた後脅されびくびくした。いくつかの職場を転々とした。二一歳、デザインをすることが楽しくなった。やがて結婚した。子供が生まれた。離婚した。子供を引き取った。首美を起ち上げた。子供を育てる。沢山のものを作りたい。

http://qubibi.org/
 

坂田明


musician

1945年、広島県呉市出身、広島大学水産学科卒業。
72年~79年洋輔トリオに参加、80年より「wha ha ha」
「SAKATA TRIO」結成してヨーロッパツアーを皮切りに独立。以後様々なグループの形成解体を繰り返しながら世界中をあちこちぐるぐるしながらあれこれして今日に至る。
近著は「私説ミジンコ大全」CD「海」付(晶文社)。


http://www.akira-sakata.com
 

豊住芳三郎


ds,perc,erfu

1943年、東京生まれ。青山学院大学在学時の63年富樫雅彦に師事、67年サムライで欧州ツアー。69年、吉沢元治3、高柳昌行ニュー・ディレクションに参加。その後、高木・豊住ディオで人気を博す。71年シカゴAACMに参加、ジョセフ・ジャーマンとのディオなど様々なユニットやワークショップに参加。72年渡仏し、A・ショーター、B・フュー、加古隆などと共演、A・ブラクストンのCreative Music Orchestra等で活動。75年帰国、富樫雅彦「Spiritual Nature」に参加。そのほか、阿部薫、小杉武久、D・ベイリー、H・ベニンク、B・フィリップス、P・ラザフォード、J・ラッセル等と共演。またレオ・スミス、ペーター・ブロッツマン、ミッシャ・メンゲルベルク等を招聘し歴史的作品を残す。現在も世界をまたにかけて活躍。
 

佐藤允彦


p,comp,arr

1941年東京生まれ。慶応義塾大学卒業後、米国バークリー音楽院に留学、作・編曲を学ぶ。帰国後、初のリーダー・アルバム『パラジウム』でスイングジャーナル誌「日本ジャズ賞」受賞、その後も数々のアルバムを制作。また、ベルリン、ドナウエッシンゲン、メールス、モントルーなどのジャズフェスティバルへも出演、国際的にも高い評価を得ている。97年には自己のプロデュース・レーベル〈BAJ Records〉を創設。その活躍はますます多面化するばかりである。93年より「ジャンル、技量にかかわらず、誰でも参加できる即興演奏」を目指すワークショップ【Randooga】を開始、フリー・インプロヴィゼイションへの簡潔なアプローチ法を提唱。2009~11年、東京藝術大学に【Non-idiomatic Improvisation】の講座を開設。
 


 

『PARADE』ストアハウスカンパニー

 
 
 
 
 
『PARADE』
 かつて、人びとは、上を向いて歩いていた。
そして、今、人びとは丘に向かって立っている。
しかし、とかく記憶は曖昧だ。
その曖昧さは、
例えば、森の中で木の葉を踏む音を聞きながら、
波打ちぎわで絶えずかき消される自分の足跡を抱きしめる行為のようなものだ。
今となっては、人々の姿も、丘の形状も思い出すことはできない。
それはそれでいいのだ。
現実はいつだって曖昧のままそこにある。
どこからか声が聞こえてくる。
歩こうか。
さあ、パレードの始まりだ。
 
  作・演出/木村真悟
出演/渡辺芳博 金丸瑞貴 村島智之 細村雄志
佐藤辰哉 森田ひかり 中川珠里 杣木百花
作曲・ピアノ演奏/伊澤知恵